リッツとルヴァンと沢口靖子
ヤマザキナビスコの契約終了に伴い、モンデリーズ・ジャパンから発売された新たなリッツとヤマザキビスケットから発売されたルヴァン。旧リッツを継ぐような形で2つの会社から発売されたクラッカー。この2つは似ているようで少し違います。味、食感、形、そしてCM、あらゆる点で違いが見られます。
今回はそのCMに注目して様々な観点からリッツとルヴァンの2つのクラッカーを比較していきたいと思います。
(新旧リッツは分けずに一括りのものとします。)
リッツのCM
沢口靖子がイメージキャラクターの旧リッツ
自宅に友人を招きリッツパーティー。主婦達の楽しい昼下がり。リッツをスイーツ風にアレンジしただけにも関わらず、この喜びよう。彼女達は今まさに日常の小さな幸せをリッツとともに噛み締めている。
「リッツエブリデイ!」元気に言い放つ彼女はまだ自分からリッツが失われることを知らない。自宅で1人リッツアレンジを毎日楽しむ。可愛らしくアレンジしたリッツを見て、うれしそうに笑う彼女からは少女のようなあどけなさが感じられる。
長谷川博己がイメージキャラクターの新リッツ
長谷川博己主催のリッツパーティーでは、親戚か近所の人だろうか、様々な年齢層の男女が家に集まりリッツパーティーを楽しんでいる。以前の女性だけの閉鎖的なリッツパーティーと比べるとアレンジの幅が広がり、新たなリッツの可能性が感じられる。
ルヴァンのCM
ルヴァン登場
「私のルヴァン」という独占欲溢れる発言。2度と自分のクラッカーを手放さないという強い意志の表れだろうか。きっとルヴァンに失われてしまったリッツの面影を重ねているに違いない。そしてひとたびルヴァンを食べれば幻覚。もうこの女はクラッカーなしでは生きられない。
ルヴァンパーティー
とうとう家から飛び出し、パーティー会場に沢山の女性を集めてルヴァンパーティーを始めた沢口靖子。参加する女性は、上品なドレスに身を包み、大きな机には沢山のルヴァンが並べられている。ルヴァンパーティーのためにそこまで金をかけているのか、狂気を感じる。心なしか沢口靖子の笑顔もリッツ時代と比べると不自然に見える。
2つを比べてわかること
これらのCMを見比べて、明確にわかることがある。それはパーティーの規模だ。
リッツパーティーは一般的な家で身内や友人を招いて行われるささやかなものであったのに対し、ルヴァンパーティーは大きな会場で沢山の人々、それもわざわざドレスを着た女性だけで豪勢に行われているのだ。ルヴァンパーティーは規模が明らかに大きい。庶民的なリッツと差別化を図るかのような華やかさ。これは一体何を意味しているのだろうか。
沢口靖子の思惑とは...!?
これを踏まえた上でもう一度ルヴァンパーティーのCMを見て頂きたい。
ポイントは参加者だ。見るからに金と権力を持っていそうである。つまり、沢口靖子はこのような女性を集めて日本を牛耳ろうとしているのではないだろうか。人々をルヴァンで支配し、この世の全てを手に入れる。
リッツを失い悲しみに暮れた彼女が開いた扉はパーティー会場の扉ではなく、破滅への扉だったのだ。
沢口靖子にとって28年間を共にしてきたリッツを失うことはあまりにも大きすぎることだった。彼女がいくらルヴァンを食べても、人に勧めようとも、その心の穴を埋めることは不可能なのだ。彼女自身が一番それをわかっているだろう。彼女を悲しきルヴァン・モンスターに仕立て上げてしまったのは紛れもなくリッツである。
最後に問います。
あなたはリッツとルヴァンどっち派ですか?